エジプト美術_西洋美術史

◇初期王朝時代(BC3100年頃)
上下エジプトが統合され、美術活動が活発化


◇古王国時代(BC2686-2181頃)
ファラオの神権的権力が確立し、中央集権国家が整備された。
クフ王カフラー王などのピラミッドが建立される。
葬祭殿を始めとする宗教建築も急速に発展する。


◇中王国時代(BC2050-1786頃)
巨大ピラミッドは建造されなくなる一方で、テラス式葬祭殿や神殿が数多く建造され、オシリス柱ハトホル柱などの新意匠が出現する。


◇新王国時代(BC1786-1567)
エジプト美術の絶頂期。都のテーベを中心に、各地で大造営事業が推進された。
カルナックのアモン神殿ルクソール神殿は、壮大な建築複合体というだけでなく、多柱式建築の可能性を追求した代表例として重要。
オベリスクと王像も、かつてない大きさを誇るようになる。


◇エジプト美術の特徴
約3000年におよぶ時間的な広がりがあるにもかかわらず、様式がほとんど変化せず一貫している。
様式の不変性は、その範囲の中で技術的な洗練性を高め、沈め浮彫のような高度に発達した特殊な技法を生んだ。
動物や庶民の表現には、驚くべき写実性が認められるにもかかわらず、それらは主流となりえなかった。
エジプト美術は、王家と聖職者、貴族を中心とする宮廷美術だったことがその理由。


<カラー版 西洋美術史>より抜き書き



ネフェルト・イティ胸像